四時随順

俳句とエッセイ / やまだみのる

  • 天狗杉武者震ひして雪落とす

    雪解

    天狗杉武者震ひして雪落とす  みのる

    雪解水がちょろちょろ山道を走り始めると春の到来である。日射しは明るく万象が蘇ったように輝いて見える。ほころび始めた雪間からは、ものの芽が顔を出し、総身に雪を被いて立ち往生したかのような大樹も

    「生きておるぞ!」

    とばかりに自己主張して震える。生きとし生けるものの全てが復活の春を賛美し始める。